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「 風立ちぬ 」

 映画「 風立ちぬ 」がTV放送されましたが、映画館で観た時よりも、細部に注意が行って、なかなか興味深い映画でした。

 で、昨夜も途中から飛び飛びでしか視聴してないので、個人的になかなかの問題作だとも思ったりもするけれど、その点について自分の中ではまだくわしく消化できてないので、きちんとしたレヴューも書けないので、最初に観た時に一番印象に残ったセリフを紹介しますね。それは、零式戦闘機のエピソードでも、ふたりの恋愛エピソードでもなくて、軽井沢で二郎が出会う謎の外人( カストルプ )のセリフ。

 
  ココハイイトコロデスネ

  モスキート イナイ アツクナイ 

  クレソンウマイ。

  イヤナコト ワスレルニ イイ。

  ココハ Der Zauberberg. ( 「 魔の山 」)

ワスレルニ イイトコロデス。

  チャイナト センソウ シテル ワスレル。

  マンシュウコク ツクッタ ワスレル。

  コクサイレンメイ ヌケタ ワスレル。

  セカイヲ テキニスル ワスレル。

  ニホン ハレツスル。

  ドイツモ ハレツスル。

また、彼はヒットラーのナチスについて、

 「あれはならず者の集まりです。」

  と言い

  ドイツはまた戦争しますか?

  と言う二郎の問いに対して

  ソウ トメナケレバ。

  と答えていて、

彼のこのセリフだけで、戦争に向かう当時の日本の状況が簡潔明瞭に表現され、且つ正確に分析批評もされている。そして、映画の中では、スパイと思われる彼との関係で特高から疑われる二郎を、会社が全力で守ろうとするところなども、興味深いエピソードでした。

 ほかには、

 特高が勝手に私信を開封するという件に関して二郎の憤慨に対しての、黒川の、「日本が近代国家と思ってたのか。」や

 新品の軍用機を飛行場に運ぶのに”牛”が使われている件に関しての友人の本庄セリフの、「恐るべき後進性だよ。」

  という冷静な自己客観視的表現は、ネトウヨ的自己陶酔的愛国作家の方には到底できないでしょうねと思いました。自己を客観視することは自虐では勿論ないし、この映画からは日本の技術者に対する監督の愛があふれているわけでありますが、技術を追求していく技術者の自己実現欲求と、あの大戦末期、その戦闘機が搭乗した若者たちの命を特攻によって無駄に散らせたという事実を、作品としてどう表現するかという点において、この映画が映画として成功しているかと言えば?なのですね。なお、菜穂子との恋愛は、美しく儚く描かれているとは思うけど、個人的には、あまりピンとは来ませんでした。

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