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シンプルな絵本~「あおくんときいろちゃん」「ペツェッティーノ」

 最近、次男に寝る前に読む絵本を私が三冊くらい選んだ中から、「どれにする?」と聞いたところ、彼が選んだのはレオ・レオニの「あおくんときいろちゃん」だった。以前に、シンプルさの極致のようなこの絵本が、子どもにわかってもらえるかなあと思って読んだことがあったが、意外にすんなりと気に入ってもらえたので、子どものよいものをわかる能力をあなどってはいけないというのが、私のうれしい感想だったのですが。(勿論、日々の生活では、「それ何?」って言いたいようなアニメや漫画もしっかり見たりしていますが、そういう時は横で、「お母さんあんまりこういうのは好きじゃないなー」と呟いたりして抵抗しているのですが・・。)
 この絵本は、レオ・レオニがアトリエに訪れた孫のために、画用紙に絵具で即興で作ったおはなしが元になっています。絵具で描かれた青いまるのあおくんと、黄色いまるのきいろちゃんは、いちばんのなかよしですが、あるひのこと、まちかどでばったりであったのがうれしくてうれしくて、ふたりともみどりになってしまうというおはなしです。このシンプルさ、シンプルだけど、それが絵本になって私たちに差し出されると、そのシンプルさで表現されたものの深さに、私たちは驚き、静かな感動を覚えます。

 「あおくんときいろちゃん」を少し複雑にしたようなおはなしに、 「ペツェッティーノ」(レオ・レオニ) があります。このおはなしは、副題に「じぶんを みつけた ぶぶんひんの はなし」とついているように、なかなか哲学的な内容です。ちいさいペツェッティーノは、じぶんのことを、おおきなだれかのぶぶんひんなんだろうと思って、そのことを確かめようとたびにでますが、だれもペツェッティーノのことを、じぶんのぶぶんひんだとはいってくれません。さいごにであった、かしこいやつにいわれていった「こなごなじま」で、かれはつかれはてて、こなごなになってしまいます。そして、やっとペツェッティーノにもわかりました・・・

 一時期、レオ・レオニの絵本ばかり集めていたことがあって、(たぶんわが家の絵本のなかで、レオ・レオニの絵本は一番冊数が多い、)そんな彼の絵本のなかでも、この「ペツェッティーノ」は絵も可愛いわけではないし、主人公のペツェッティーノはオレンジ色の角が丸い四角に描かれてますし、彼がであういろいろなやつたちも、いろいろな色のちいさい四角の集合体として描かれているだけです。この絵本はおもしろいけれど、子どもには手に取ってもらえないだろうと思った絵本でした。だから、たくさんある彼の絵本の中から、子どもがこの絵本を読んでと言って選んだときは、正直びっくりしました。「ほんとうに これでいいの?」と念を押したくらいです。内心ではとてもうれしかったのですが。

 レオ・レオニは、「スイミー」が小学校の国語の教科書に取り上げられたりして、その名前は日本でもよく知られていると思いますが、彼のたくさんの著作の中から、子どもが選ぶ絵本を見てみると、案外、親が望むちょっと教訓的な内容の絵本や、かわいい絵のとっつきやすい絵本より、こういうシンプルでも深く考えさせられる絵本が選ばれるのを見ると、絵本の表現ということについて、深く考えさせられます。

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あおくんときいろちゃん
藤田 圭雄 / Lionni Leo
至光社 (1979)
通常24時間以内に発送します。

 
 
ペツェッティーノ
谷川 俊太郎 / 〔谷川 俊太郎著〕 / 谷川 俊太郎著 / Lionni Leo
好学社 (1978)
通常2~3日以内に発送します。

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