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スカボロー・フェア~サイモン&ガーファンクル

 サイモン&ガーファンクルの安いCDを生協のカタログで見つけて購入した。買った理由は、安かったからですが。以来、ずっと聴き続けている。難点は、歌詞カードがついてないことだ。彼らの、というよりポール・サイモンの詩の素晴らしさを確認することができないのが残念。有名な曲は、ネットで検索すれば調べられるが・・・。

 CDを買う前に、図書館で借りて読んだ本(「ピーターラビットの謎」キリスト教図像学の招待/益田朋幸・著/東京書籍)のなかに、「スカボロー・フェア」のことが出てきたことが心にひっかかっていたこともあった。この曲で繰り返される四つのハーブ、「パセリ・セージ・ローズマリー・アンド・タイム」は、”死者に捧げられるフォークロアを持ち、死のイメージがある”と説明されていたのだ。

 ”死のイメージ”。ということは、彼らは、そういうことも知ったうえで、イギリス民謡「スカボロー・フェア」に、反戦的な意味合いを持たせる歌詞を加えたのだろうか。

 前掲書で、原曲の「スカボロー・フェア」は”マザーグースを踏まえた、求愛の歌、いわゆる相聞歌”と説明されている。原曲の歌詞を見ていくと、男性→女性、女性→男性へとそれぞれ難題をなげかけている。

 例えば、「縫い目も針目もない麻のシャツをつくってほしい」とか、
      「海水と浜の間に1エーカーの土地を見つけてください」とか、
      「皮でできた鎌で刈り入れてほしい」とかのように。

 その後に、「そうすれば、彼女は私の本当の恋人になるでしょう」という言葉が続く。

 そして、サイモン&ガーファンクルの「スカボロー・フェア」には、2番から原曲の間に反戦的な別の歌詞が入ってくる。最も特徴的な歌詞は「将軍は兵士に殺せと命じる」、「とうに忘れてしまった理由のために戦えと」ですが、他にも「銀の涙で墓石を洗う」などの言葉も出てきます。そして繰り返されるフレーズ、呪文のような四つのハーブの名前、「パセリ・セージ・ローズマリー・アンド・タイム」にこめられた死のイメージ。(どちらかがすでに死んでしまっているとも考えられる。)そして、最後の「そうすれば、彼女は私の本当の恋人になるでしょう」には、「いやなりはしない」という言葉をくっつけると、この曲の言おうとするところがはっきりする。 

 彼らが、この曲にベトナム反戦の意味をこめたとしたら、「スカボローの市に言ったなら、そこに住んでいるひとによろしくと伝えてほしい」と言っている男の人は、(理由のわからない)戦争で既に死んでしまっていると考えられる。

 だから1966年に発表されたこの曲は、2005年の今においても充分なインパクトで私たちの心に響いてくるのだと思う。

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Comments

今晩はまたおじゃまします。
「スカボロー・フェア」は名曲ですよね。
静かなるメッセージだと
卒業ではダスティン・ホフマンが街中をさまよう?時に流れていたと思いますが字幕では反戦な詩は伏せられていたいたような気がします。蛇足ながら明日に架ける橋に入っている「コンドルは飛んで行く」という有名な曲がありますよね。ライナーノートで中村とうよう氏はポール・サイモンが付けた詩に批判的なことを書いてます。・・・・打たれるクギより打つハンマーでありたい・・・・この詩は南米先住民の虐げられた歴史がわかっていないと。
自分としてこの曲を聴くたびに複雑な心境になりますが。そしてもうひとつ「レット・イット・ビー」は「明日に架ける橋」に影響を受けてできた曲らしいのですが?なにかで読んだ記憶が。ながくなりましたね・・・・それでは

Posted by: かきみっくす | April 24, 2005 at 08:47 PM

かきみっくすさん、コメントありがとうございます。「レット・イット・ビー」と「明日に架ける橋」の関係は初めて聞きました。私は、「レット・イット・ビー」には東洋的な匂いを感じていたんですが・・。「コンドルは飛んでいく」の詩への批判も、厳しい目でみれば、当時の彼らの限界があったのかもしれませんね。私も、当時は彼らの詩をちゃんと理解して聴いていたわけではなく、「サウンド・オブ・サイレンス」に感じるニヒリズムや「4月になれば彼女は」や「スカボロー・フェア」の叙情に惹かれて聴いていただけでした。今でも、「サウンド・オブ・・」の詩は難解でちゃんと理解しているとは言えませんが。あと「アイ・アム・ア・ロック」なんかも好きでした。

Posted by: azami | April 24, 2005 at 10:25 PM

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