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「りすのナトキンのおはなし」~ピーター・ラビットの絵本10

 今回、紹介するのは、1902年に出版されて以来、世界中で愛され続けているvery famousな絵本「ピーター・ラビットの絵本」シリーズより、「りすのナトキンのおはなし」(ビアトリクス・ポター 作・絵/石井桃子 訳)です。

 「ピーター・ラビット」と言うと、そのキャラクターは世界中で認知されているわりには、おはなしを読んだひとは少ないのではないでしょうか。かく言う私もそうだったのですが・・・。日本では、マヨネーズのCMに出てくるうさぎということしか知らないひとも多いのではないでしょうか。
 私が持っているのは、「愛蔵版 ピーター・ラビット全おはなし集」という全部のおはなしが一冊にまとめられて入っている大型の絵本で、(子どもが自分で読むのには、おはなし毎に製本されている小さい本のほうが読み易いと思いますが)ポターの絵の素晴らしさや色彩の美しさは、絵が大きい分「愛蔵版」のほうがよくわかります。ポター本人は、お嬢さんで、気難しいところもあるひとだったらしいですが、彼女の絵からは、彼女の自然を観察する眼の確かさを知ることができます。この絵本に出てくる動物や植物は、それらがいつも身近にあって、それらをよく観察した者でないと描けないリアルさにあふれてます。そして、愛らしい。愛らしくないキツネやアナグマなども出てきますが、大体の動物が愛らしく描かれています。その愛らしさは人間の子どもの愛らしさにも共通のものだと思います。この絵本がいつまでも色褪せないのは、この自然観察に裏打ちされた絵のすばらしさにあると思います。

 さてそんなおはなしのなかから、「りすのナトキンのおはなし」を選んだのは、うちの次男の一番のお気に入りということもあるのですが、このおはなしの主人公ナトキンの”なまいきさ、性懲りの無さ”に、我が家の次男坊の姿を見るようで、私もこの話が一番印象にのこっているからなのです。

 みずうみのそばの森にすんでいるりすたちは、みずうみのまんなかにある島の木の実が熟すると、いかだに乗って木の実をとりにやってきます。その島は、ふくろうじまと呼ばれていて、島の中心のかしわの木に、年取ったふくろうのブラウンじいさまが住んでいて、りすたちは毎回じいさまにおみやげを持ってくる代わりに、島の木の実を取ることを許してもらっているのでした。そんななかナトキンだけは、ブラウンじいさまに毎回なぞなぞを出したり、木の実も取らずに遊んでいました。そして、そんなことを続けていたナトキンのことを、無視していたブラウンじいさまでしたが、りすたちが島にくるさいごの日、6日めにナトキンがおなじようになぞかけをして、悪ふざけをエスカレートさせたとき、ブラウンじいさまはとつぜんナトキンにとびかかりいえのなかにつれていってしっぽをもってかわをはごうとしたのです。ナトキン絶体絶命だったのですが、ちからいっぱいあばれたため、しっぽがぷっつりきれてナトキンはなんとかにげだしました。よかったね、ナトキン食べられなくて、というおはなしですが。

 だから言ったでしょうという気がする結果なのですが、子どもというのは痛い目にあわないとわからない、というところがある気がします。「だから言ったでしょう」というのは、いつも私が子ども相手に思っていることだからです。でも、わが家のナトキンは”悪ふざけやいたずらは程ほどにしないと自分の身を危険にさらすことになりかねない(罰をうける)”なんていう教訓的な内容よりも、ナトキンのかけるなぞなぞや、ナトキンが毎回いろんな木の実をつかってするあそびのほうに魅力を感じているに違いないと思ったりもするのですが。

 このおはなしのラストは、しりきれしっぽと呼ばれているナトキンが森のなかでほかのりすからなぞをかけられてからかわれると、そのあいてにぼうをぶつけたり、ふくろう語でわるくちを言ったりという相変わらずの負けん気の強さが描かれていますが、とりあえずナトキンには「いのちをおとさなくてよかったね」と思わずにはいられません。

 

りすのナトキンのおはなし(ピーターラビットの絵本 10)
ビアトリクス・ポターさく・え・いしいももこやく

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