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アーノルド・ローベルの絵本

 ひさしぶりに絵本の紹介をします。がまくんとかえるくんが主人公の『ふたり』シリーズで有名なアーノルド・ローベルの絵本です。このシリーズは全部で四冊出ていて、どれがいいとかは私のなかでは無くて、それぞれ全部いいですが、春ということで、『ふたりはともだち』 (アーノルド・ローベル作、 三木 卓訳、文化出版局)から「はるがきた」というおはなしを紹介します。
 
 はるになったので、かえるくんはがまくんをたずねます。かえるくんがいろいろ呼びかけてがまくんをおこそうとしますがなかなかおきてくれません。「ぼく ここに いないよ。」なんて言ったりします。なんとかげんかんまでつれていくのですが、まだねむっていたいがまくんは、5月のなかばごろにもう一かい起こしにきてくれといってまたねむってしまいます。かえるくんはがまくんのカレンダーをやぶきはじめました。がまくんがねむりはじめた11月からはじめて1月2月・・・4月まで。そして、がまくんのところへいって、5月になったからおきなよと言うんです。がまくんは、はやいなあとおもいながらもカレンダーを見たら5月なのでおきることにしました。そして、ふたりは、はるのよのなかをみにでかけました。
 
 とこんな感じのおはなしが一冊に五話ずつはいっています。
がまくんとかえるくんのやりとりはいつもこんな感じです。しっかりものでやさしいかえるくんにくらべて、がまくんはにんげん世界ならばちょっと”困ったちゃん”と言われて敬遠されかねないキャラクターかもしれません。しかし、かえるくんはそんながまくんのことをおもいやりながらやさしくフォローしています。いや、おもいやりなんていう、ちょっと上からの視線を感じさせる傲慢な感じは、ふたりの間には感じられません。もっと自然にふたりは”ともだち”というかんけいが描かれています。『ふたりはともだち』の最後のおはなし「おてがみ」に見られるようなゆっくりとした時間の流れは(かえるくんはかたつむりに手紙の配達をたのみます。)全篇に共通しています。

 もう一冊ローベルの絵本を紹介します。
 『どろんここぶた』 (アーノルド・ローベル 作、岸田衿子 訳、文化出版局)です。(次男のお気に入り絵本です。)
 主人公のこぶたが一番すきなことは、やわらかいどろんこのなかに、すわったまま、ずずずーっとしずんでいくことです。こぶたをかっているおひゃくしょうのおじさんとおばさんは、ふたりともこぶたのことをとてもかわいがっていましたが、あるあさのこと、うちじゅうの大掃除をはじめたおばさんが、こぶたのだいじなどろんこを「ここが いちばん きたないねえ」といって掃除機で吸いこんでしまったのです。こぶたはおこって、うちから逃げ出してしまいます。
 やわらかーいどろんこをさがしながら、おおきなまちまでやってきたこぶたは、どろんこと間違えてセメントのなかにずずずーっとしずんでしまいます。セメントづけになってうごけなくなったこぶたを見に、まちじゅうのひとが集まってきました。さて、こぶたはどうなったでしょうか。
 
 ラスト、無事におひゃくしょうさんのうちに帰ったこぶたは、ちょうど降ってきた雨でできたやわらかーいどろんこのなかに、満足そうにずずずーっとしずんでゆきました。
 
 よかったね、ということではなしはおしまいなのだけれど、このはなしを読んで気になるところは、こぶたがなによりだいじにしていたどろんこを掃除機で吸いこんでしまうのがおひゃくしょうのおばさんだったということだ。(このおばさんは『ルシールはうま』というおはなしでも、うまにたいして同じようなことをしてしまいます。)ローベルは女性が持っているそういう側面をよくわかっています。このおばさんも悪気があるわけではない、よかれと思ってやっていることなんですが、自分の価値観でしかものごとを見ていないので、おばさんにとってきたないものでしかないどろんこが、こぶた(子どもとおきかえてもいいとおもう)にとってどんなに大事なものかということがわからない。私たち、特に女性のほうがそういうことを平気でしてしまうということを反省させられます。

 書店のひとが言っていたのですが、ローベルの『ふたり』シリーズは、最近の子どもに受けないんだそうです。子どもは、親の考えや好みに敏感ですからね。このシリーズ、まず、大人に読んでもらいたいなと思います。

 

ふたりはともだち
アーノルド・ローベル作・三木卓訳

 
どろんここぶた
アーノルド・ローベル作・岸田衿子訳

 
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